楽天からスノーピーク、そしてエンリージョンへ。
「日本を元気にしたい、地方の役に立ちたい」。
青臭いけれど、自分の軸は常にそこにある。
コンサルタント
皆川 暁洋 Minagawa Akihiro
国家資格 | キャリアコンサルタント (登録番号24011464) |
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担当エリア | 新潟 |
- 複数転職経験
- 異業種転職経験
- Uターン経験
1975年生まれ。2003年北海道大学経済学部卒業。2003年楽天株式会社入社。グループマーケティング部の立ち上げに参加し、楽天グループの広報宣伝活動などを担当。2012年株式会社スノーピーク入社。eコマースの担当マネージャー、国内営業本部長、ビジネスプロセスイノベーション本部長などを務める。2018年株式会社エンリージョン入社。
エンリージョンのサポートで新潟へのUターン転職経験者
2018年からキャリアコンサルタントとして、候補者と企業をつないでいる皆川暁洋。実は彼自身、エンリージョンの江口社長を通して新潟へのUターン転職を経験。その後、今度はエンリージョンに入社するという不思議な縁に導かれている。プロフィールを見ると、北大、楽天、スノーピークと、順風満帆なキャリア人生に見えるが、本人は「実はいろいろ遠回りしています」と笑う。
新潟県のトップ校、新潟高校から一浪して北海道大学に合格。留年を経て、一度は退学したものの、1年後に復学。「中退者が復学するための制度を何十年ぶりかに発動させてしまいました(笑)。教授がずらりと並んで話を聞かれる教授会面接は緊張しました。
退学する前は、大学には行ってなかったけれど、ゼミの教授には可愛がってもらっていて、教授会を取り仕切っていたのがその教授だったのは幸運だったと思います」
卒業を迎えるも、年齢は27歳になっていて、普通の企業への就職は難しいと思っていたとき、知人から楽天を薦められた。しかし、役員面接で不採用に。ところが、そこでミラクルが起きる。
「採用を役員に任せていた三木谷社長が、やっぱり自分が全員に会うと言って再面接が行われ、そこで内定をいただきました。下宿で寝ていたら『三木谷ですけど』って社長自ら電話してきて、びっくりしましたね。当時はまだ知る人ぞ知る会社でしたが、優秀な人がたくさんいらっしゃって、すごく勉強になりました」
次の転機のきっかけは2011年の東日本大震災だ。当時、横浜に住んでいて、夫婦共働きで子どもは3人。近くに親戚などの頼れる人もおらず、苦労した。「いつかは地方に」と漠然と思っていたことを実行するタイミングは今だと感じた。行先は皆川の実家がある新潟にしようと決めたものの、「行くにしても面白い仕事がしたい」と思っていた。
そんなとき、たまたま家族でキャンプを始め、友人からスノーピークのテントを薦められて購入。「調べたら新潟の会社で、山井太社長(当時)はずいぶんユニークな人だなと思って。
まだ上場していませんでしたが、ブランドがしっかり考えられているし、顧客との接点の持ち方がすごいので、伸びる会社だと思ったんです。それで、妻が見つけてきたエンリージョンに連絡して、江口に『スノーピークに入りたいんですけど、どうしたら入れますか』って相談しました。珍しい奴だと思います(笑)。スノーピークは、当時はあまり中途採用を行っていませんでしたが、江口が頑張ってくれたのに加えて、会社の方針が変わってきた時期だったこともあって、最初のアプローチから5回の面接を経て、半年かかって内定をもらいました」
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キャリアコンサルタントへの転身。地域貢献できる仕事にやりがいを感じる日々
スノーピークで過ごした5年半は同社が上場するなど急成長する時期に重なり、濃厚な日々を過ごした。そして担当していた基幹システム導入のプロジェクトがひと段落したタイミングで、そろそろ違うことをしたいという気持ちになり、再び江口に連絡をとった。
「いつもはメールを送るとレスポンスが早い江口から2日間ほど返事がなくて。後から聞いたら、僕に合う企業を探してくれていたようです。でも見つからなくて「うちで働くのはどう?」と誘われました。この先、何か自分でやるとしても、新潟の企業について勉強する意味でもいいんじゃないかと言われて、それも良いなと思って決心しました」
楽天では主にマーケティング、スノーピークではECやシステム開発の管理を経験したが、エンリージョンでは営業として初めて外回りをすることになった。どれも全く違う仕事に見えるが、自分の中ではしっかりと軸がある、と皆川は話す。
「会社を選んできた自分の基準として、青臭いけれど日本を元気にしたい、地方を元気にしたい、いまなら新潟の役に立ちたいという思いがあって。楽天は、当時はまだ知る人ぞ知るベンチャーでしたが、入社試験の前に楽天市場で長野の生産者から卵を買ったり、楽天トラベルで熱海に旅行にいったりしてみたんです。
旅館の仲居さんに話を聞いたら『インターネットを使うようになったら平日に若い人が来てくれるようになった』って喜んでいて、『すごいな、役に立ってるな』と思ったんですね。
スノーピークも地元の燕三条地域に協力工場がたくさんあるので、スノーピークの売上が上がると地域経済に貢献できるというのが魅力だった。いまは、東京などから優秀な人を新潟の企業に紹介できれば、その人が活躍して企業が発展して、引いては新潟を発展させることができるという意味で、素晴らしい地域貢献だと感じています。そういう意味では職種は違うけれど、やっていることはそんなに変わっていない気がしています。逆にそういう要素がないと、やる気が起こらないんです」
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経験者だからこそ、地方へ転職する人の葛藤する気持ちがよく分かる。そこに寄り添って共に考えるコンサルタントに
自分自身が経験していることもあって、新潟へのUターン転職を考える人の不安な気持ちはよく理解できると皆川は話す。
「関東から新潟へ来るとなると、妻も仕事を辞めなければいけなかったり、給料が下がるということもある。そういう部分での葛藤はすごく理解できますね。ずっと新潟にいる人には分かりにくい感情だと思います。その点では気持ちに寄り添えるし、企業に対しては、候補者のことをしっかり評価してもらいたいという思いを伝えています」
候補者の転職をサポートし、相性のいい企業との縁をつなぐというキャリアコンサルタントの仕事に、いまはやりがいを感じている。
「家庭の事情があってUターンする場合、50代の方も多くて、年齢的に転職が簡単ではないケースもある。そんななかでもお手伝いできて、候補者の方が晴れ晴れとした表情をしていらっしゃると、やっぱりお役に立ててよかったなと思いますね。逆に言うと、そういう世代の方はすごく経験をお持ちなので、そのスキルを新潟の中小企業で発揮してもらえれば、地域のためにも良いと感じています」
相談にのる上で、皆川が大切にしているのは、転職が本当にその人にとっての問題解決になるのか、という点だ。
「候補者の方が、より良い人生のためとか、より面白い仕事をしたいとか、今の職場に不満があってとか、いろいろな思いで相談にいらっしゃる。なかには、漠然とした不安で転職したいと相談に来られて、話をしているうちに、今の会社を辞めたところでそれは解決しないんじゃないか、というケースもあるんです」。
転職は問題を解決する手段であり、解決できないならしない方が良い、ビジネスとしては、転職していただくことで初めてエンリージョンに利益が発生するのだが、だからといって無理に転職を薦めるのは人として違う、と皆川はきっぱりと言う。
「やはり、ひとりで悩んでいると、周りが見えなくなって、分からなくなることってあると思うんです。キャリアコンサルタントは企業側の皆さんの声も聞いているので、客観的な見方ができて、アドバイスもできます。そういう我々の話を聞いていただいた上で、最終的に決断するのは候補者の方。我々は考えていただくための情報提供をし、お手伝いをするだけなんです。そういう意味でも、キャリアコンサルタントは、まずは気軽に相談できる存在であってもいいのかなと思いますし、その人のための最善の選択を、一緒に考えていくコンサルでありたいと思います」
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■インタビュアーから
皆川氏は優しいユーモアがあふれる会話で、相手をいつの間にかリラックスさせてくれる人。実はインタビュアーと皆川氏に共通の知人がいることが分かり、その人に皆川氏がいまキャリアコンサルタントをしていることを伝えると「皆川さんにぴったりの仕事だと思う」と話していた。人柄、人生経験、そして志を備えた頼りがいのあるコンサルタントとして、これからも活躍してくれるはずだ。