最後の挨拶まできちんと!転職・退職の挨拶メールのマナー

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会社を退職する際の挨拶メールはビジネスマナーの一つです。相手に対して退職する旨を伝えることと同時に、これまでお世話になったことに対して感謝を伝えるといった目的があります。とはいえ、退職にあたってメールを送ろうと思っていても、タイミングが分からなかったり、どのようなポイントに気を付けてメールを送信すればよいのか分からなかったりと疑問も多いはずです。

そこで、本記事では挨拶メールを送る意味やタイミングについて確認した上で、挨拶メールのポイントや書き方についても解説していきます。

目次

挨拶メールを送る意味

会社を退職する際には挨拶メールを送るのが一般的です。挨拶メールはこれまでお世話になった社内の人や得意先に対して、お礼を伝えるといった目的があります。

また、自分から退職の意志を伝えることで、退職をきっかけに関係が悪化することも防げるでしょう。特に、同じ業界に転職する場合や取引先が多い場合は、現職で関わった人と今後も関わる機会があるかもしれません。ビジネスパーソンとして今後も働くためにも、周囲に対して好印象を残しておくと安心でしょう。

なおメールを活用すれば、普段顔を合わせる機会のない人や時間の都合がつきにくい人に対してもきちんと挨拶できます。

挨拶メールを送るタイミング

退職の挨拶メールを送るにあたり、どのタイミングで送ればよいのか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

挨拶メールを送るタイミングは社内か社外かで異なります。

社内の場合

社内向けの挨拶メールは最終出社日に送ることをおすすめします。退職についての報告というよりも、これまでにお世話になったことについて感謝を伝えることを目的としています。

ただし、企業によっては退職の挨拶メールを送るタイミングについて慣習があることもあります。例えば、所属部署における役職順で送るケースです。この場合は、直属の上司に送った後、同僚に送るのが好ましいとされています。

社外の場合

社外の人に退職の挨拶メールを送る際は、社内全体に退職が周知された後、つまり退職を公にしても問題ない時期になってから送るのが一般的です。

業務の引き継ぎなどが必要となることもあるため、退職日から2~3週間前には送信するよう心掛けましょう。退職日間近に退職する旨を取引先に伝えた場合、相手からの信頼を失う可能性もあるので注意してください。

挨拶メールのポイント

退職の挨拶メールを送る際は受け取り手への配慮が重要です。そこで本章では、挨拶メールを送る際のポイントを紹介します。

件名を簡潔に

退職の挨拶メールは業務中に送信・受信するケースが多いといえます。他の社員は業務に忙しかったり、多くのメールの確認作業を行っていたりします。そのため、件名から内容を読み取れない場合、メールを見落とされたり、他のメールに埋もれたりすることもあるでしょう。

メールの件名を簡潔に記すことで相手にメールを開封し、内容を確認してもらいやすくなります。

一斉送信でOK

退職の挨拶メールの一斉送信は相手に対して失礼でないか気になる人も少なくないはずです。しかし挨拶メールの一斉送信は失礼にあたりません。

全ての人に対し、個別に退職の挨拶メールを送るには時間がかかります。メールの文面にこれまでの感謝の気持ちを込めれば、一斉送信でも受け取り手に思いがきちんと伝わるはずです。

ただし、一斉送信する際は宛先に気を付けてください。Toには自分のアドレスを入れ、送信する相手のアドレスはBCCに入れるのが一般的です。個人情報を守るためにも、送信先のアドレスが不特定多数に知られないよう気を付けてください。

内容はポジティブに

退職する理由はそれぞれ異なり、マイナスの理由で退職する人も多いはずです。しかし、退職の挨拶メールにはマイナスの理由は書かないようにしましょう。

前述のように挨拶メールにはお世話になった人たちに感謝の気持ちを伝える目的があります。メールを受け取った相手を不快にさせては本末転倒です。

退職の理由については長々と説明するのではなく、一身上の都合としておくとよいでしょう。

挨拶メールの書き方

ここでは挨拶メールの書き方を例文を交えて解説していきます。

上司宛て

上司宛ての退職の挨拶メールでは感謝の気持ちをしっかりと伝えることが重要です。また、お世話になったエピソードなどを記すと喜ばれるでしょう。

件名:退職のご挨拶

〇〇様

お疲れ様です。△△です。

〇〇課長のおかげもございまして最終出社日を本日迎えることができました。
在籍中は至らない点も多々ございましたが、ご指導やご助言をいただき、誠にありがとうございました。

今後も〇〇課長から学んだ多くのことを念頭に置きながら、仕事に取り組んでいきたいと思います。

〇〇課長の今後のさらなるご活躍を心よりお祈り申し上げます。

同僚・社内の関係者宛て

退職理由は具体的に明記せず、一身上の都合にしておきましょう。個別にお礼の言葉を伝えたい相手には、思い出のエピソードを加えるとよいでしょう。

件名:退職のご挨拶

お疲れ様です。
□□課の△△です。

一身上の都合により、本日付けで退職することになりました。
皆さま方に直接ご挨拶に伺うべきところ、メールでの挨拶になりまして申し訳ございません。

皆さまからいただいたご助言や激励が私の励みとなり、これまで仕事に取り組むことができました。

皆さまからいただいた言葉の数々を糧にし、今後も努力していきたいと思います。
これまで支えていただきありがとうございました。

皆さまのさらなるご活躍を心よりお祈り申し上げます。
本当にありがとうございました。

取引先宛て

退職理由は一身上の都合にしておきましょう。また、後任者の紹介を行い、先方の都合がつく場合はメールのみで済ませず、後任者と挨拶に伺います。

件名:退職のご挨拶

株式会社□□
〇〇 〇〇様

日頃より大変お世話になっております。
株式会社××の△△です。

一身上の都合により、■月■■日をもちまして株式会社○○を退職することになりました。

〇〇様にはこれまでに数々のお力添えをいただきましたこと感謝申し上げます。

後任は□□が担当させていただきます。

お時間をいただけるようでしたら、後任の□□とご挨拶に伺いたく存じます。 つきましては、ご都合のよい日時をいくつかご教示いただけますと幸いです。

ご検討のほどよろしくお願い申し上げます。

まとめ

本記事で解説したように、退職の挨拶メールにはこれまでにお世話になった人たちに感謝の思いを伝える目的があります。上司や同僚にかけてもらった言葉や一緒に取り組んだ仕事を思い出し、相手に対して感謝の気持ちが伝わる内容になるよう工夫しましょう。

また、社外の相手に送る際は退職の挨拶メールが与える印象が、自社と取引先との今後の関係に深く関わることを意識してください。挨拶メールから取引先にマイナスの印象を与えてしまうと、業務の引き継ぎを担当する人や自社に迷惑がかかることもあります。

退職の挨拶メールをきちんと送ることは、円満な退職をする上での鍵といえるでしょう。