知っておきたい特別休暇。法定休暇との違いや取得条件を解説

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労働者は法や企業独自の規定によって、休暇が保障されています。企業独自の制度である特別休暇は、労働者のライフワークバランスや健康を維持する上で重要なものです。労働者の心が特別休暇によって満たされれば、社内全体の生産性もアップし、企業の利益拡大にも繋がります。

本記事では、特別休暇について分かりやすく解説した上で、特別休暇の種類や活用のメリットについても説明します。

目次

特別休暇とは?

特別休暇とは法で定められている休暇制度ではなく、企業と労働者の話し合いによって定められる休暇制度です。企業は、全ての労働者に対して週に1日以上の法定休日と、一定の期間働いた労働者に対して年次有給休暇を付与することが義務づけられています。また、育児休暇や介護休暇も法律で定められている休暇です。

対して、特別休暇とは法律で定められている休暇ではありません。そのため、特別休暇の扱いについては企業に一任されています。労使が話し合いを行い、社員に休暇を付与する日数や条件を定めます。特別休暇の種類として慶弔休暇や病気休暇などが一般的です。

法定休暇との違い

前述した通り、特別休暇は法的休暇ではありません。厚生労働省による「令和2年就労条件総合調査」によれば、特別休暇を導入している企業は全体の58.9%です。特別休暇を労働者に与えるか否かは企業の判断に委ねられているため、約4割の企業では導入されていません。

全ての労働者に認められている法定休暇には以下の休暇があります。

・年次有給休暇
・産前休業と産後休業
・育児休業
・子どもの看護休暇
・介護休暇
・介護休業
・生理休暇

上記は全ての労働者に取得権利が認められている休暇です。介護や育児を理由にした休暇のほか、労働者の心身の健康を考慮した年次有給休暇や生理休暇は法的に認められている権利です。

無給か有給か

特別休暇を取得したら、その日の分の給料は支払われるのかという疑問を抱えている人も多いでしょう。特別休暇は法的に定められている休暇ではないため、特別休暇の給料を支払うかどうかは企業が決めることができます。

特別休暇について無給扱いにしている企業もありますが、社員の福利厚生の一貫として有給扱いにしている企業も多いです。在籍企業における特別休暇中の給料の有無が気になる人は、就業規則を確認してみてください。

特別休暇の種類

特別休暇は社員がプライベートを充実させ、自身の健康に気遣い、家族との時間を充実させる上で重要な休暇です。

特別休暇はどんなときに取得できるのか、特別休暇の種類を見ていきましょう。

夏季休暇および冬季休暇

夏季休暇や冬季休暇は法的に定められている休暇ではありません。しかし、夏季休暇、冬季休暇を導入している企業は多いです。

夏季休暇についてはお盆の時期に社員を一斉に休ませる企業や、社員に対して夏季休暇を一定期間内に取得するよう規定している企業もあります。冬季休暇は年末年始の休暇として付与されることが一般的です。年末やお正月に社員がゆっくりと休めるよう、冬季休暇制度を設けている企業は多くあります。

リフレッシュ休暇

リフレッシュ休暇は労働者のリフレッシュや疲労回復を目的とした休暇です。一定以上の勤続年数を満たした社員に付与されます。

リフレッシュ休暇は仕事から離れて、心身を回復させるための休暇です。労働者はゆっくりと休みたい日、旅行に行きたい日、あるいは家族サービスしたい日などに休暇を取得します。

慶弔休暇

慶弔休暇は祝福するべき出来事の「慶事」、おくやみごとの「弔事」があった際に取得が認められる特別な休暇です。親族の結婚式や身内のお通夜に参加する場合に取得します。

慶弔休暇を設けている企業は8割以上といわれています。社員が慶事や弔事に心置きなく参加できるように配慮している企業がほとんどです。

誕生日休暇

誕生日休暇は社員が自分の誕生日に休める制度です。この休暇によって誕生日に自分の好きなことをしたり、自宅でゆっくりとくつろいだりすることができます。

誕生日休暇を導入している企業は、大手企業やベンチャー企業を中心に増えてきています。

ボランティア休暇

ボランティア休暇は社員が自発的にボランティア活動を行う際に付与される休暇です。近年、地域社会での人と人との結びつきの重要性が唱えられています。

ボランティアに参加することを希望する社員を後押しできるよう、企業には社員にボランティア休暇や半日単位の休暇を付与することを求める声も増えています。

転勤時休暇および異動休暇

転勤時休暇および異動休暇とは転勤や異動を任じられた社員に付与される休暇です。転勤や異動では新しい場所で働くことになるため、引っ越しや行政手続きなど様々な手間が発生します。

仕事と引っ越しの準備などの両立は容易ではありません。新しい環境で働く社員の負担が転勤時休暇および異動休暇によって軽減されます。

裁判員休暇

裁判員休暇とは社員が裁判制度によって裁判に参加する場合に認められる休暇です。裁判員に選ばれた社員が仕事と裁判員としての活動を両立できるよう、企業には社員に対して休暇を付与するなど協力が求められています。

厚生労働省によると、裁判員休暇を導入している企業は約4割だといいます。しかし、約4割の企業が裁判員休暇の導入に後ろ向きな姿勢を見せています。

参考:厚生労働省

特別休暇制度導入のメリット

特別休暇は企業にとっても社員にとっても利点となる制度です。企業は特別休暇を社員に付与することで、どのようなメリットを得られるのでしょうか。

以下、特別休暇制度を導入するメリットを説明します。

定着率アップ

社員はプライベートと仕事を特別休暇によって、両立しやすくなります。社員は適宜休暇を取得したり、自分の時間を楽しんだりすることもできるため、自社に対して満足感を抱き、長期的に働きたいという気持ちになります。

離職率の高さに悩んでいた企業の中には、特別休暇制度を導入したことで離職率が減少した企業もあります。

優秀な人材の確保

働き方改革がしきりに唱えられている今日、特別休暇制度を導入している企業のイメージは世間からもよくなります。優秀な就活生や転職希望者は世間からの企業評価にも敏感です。世間からの評判がよい企業には優秀な人材がおのずと集まります。

また、若い世代は福利厚生や年間休日数を企業選びにおける重要な着目点にしています。優秀な新入社員を集めたい企業は、特別休暇制度を導入することをおすすめします。

生産性の向上

労働者は特別休暇によって心身を回復させることができるため、勤務時間に高いパフォーマンスを発揮しやすくなります。心身ともに健全な状態で仕事することで、ケアレスミスが減ったり、おもしろいアイディアが思い浮かんだりという効果も期待できます。

労働者によっては特別休暇を利用して資格を取得したり、スキルアップに結びつくような活動に参加したりする人もいるでしょう。

まとめ

特別休暇は法的に定められている休暇ではありませんが、社員が心身ともに健全な状態で働くために重要な休暇です。社員は特別休暇を活用して趣味や家族との時間を楽しむことでリフレッシュでき、仕事へのモチベーションも高まります。

社員の精神的な満足度や充実度は企業にとっても利益になります。優秀な人材の離職を防止できるほか、即戦力となる人材の確保にも役立ちます。社員が法定休暇以外の休暇を取得することにより企業にとって負担になることもありますが、長いスパンで見ると企業に利益をもたらす制度といえるでしょう。