ポテンシャル採用とは? 採用手法とメリット・デメリットを解説

企業の人手不足が深刻化し、スキルや経験のある人材の競争性が高まるなか、将来性を期待できる若手人材に目を向けた“ポテンシャル採用”が注目されています。

ポテンシャル採用は、若手人材の不足や社員の高齢化を課題としている企業にとって有効な採用手法の一つです。即戦力採用のように競争性や難易度が高い採用手法に加え、中期的に戦力となる人材を獲得し、組織の拡大を目指す場合にも活用できます。

本記事では、ポテンシャル採用の基礎知識やメリット・デメリット、有効な採用手法について解説します。

出典:厚生労働省『人手不足の現状把握について

目次

  1. 1.ポテンシャル採用とは
  2. 2.ポテンシャル採用のメリット
    1. 2.1.企業の若返りが期待できる
    2. 2.2.自社に沿った社員形成ができる
    3. 2.3.採用ターゲットの幅を広げられる
  3. 3.ポテンシャル採用のデメリット
    1. 3.1.人材育成にコストがかかる
    2. 3.2.早期離職の可能性がある
  4. 4.ポテンシャル採用の手法
    1. 4.1.①ミートアップの開催
    2. 4.2.②SNSの活用
    3. 4.3.③人材紹介サービスの活用
  5. 5.まとめ

ポテンシャル採用とは

ポテンシャル採用とは、求職者のスキルや経験ではなく、人柄や資質、将来性などの潜在能力を重視する採用手法です。新卒や第二新卒、20代を中心とした若手人材がターゲットになります。

企業の人材採用においては、スキル・経験を兼ね備えた優秀な人材ほど採用に至ることが難しく、企業間での人材獲得競争が激しくなります。企業が安定した経営を行うためには、経験の有無を問わず、伸びしろのある人材獲得に目を向けることも重要な取り組みといえるのではないでしょうか。

若手人材を対象としたポテンシャル採用には、社内の年齢構成のゆがみを解消し、将来の企業を支える人材へと育成する目的があります。​​​​​

ポテンシャル採用のメリット

求職者の資質や将来性を重視したポテンシャル採用には、企業にとってさまざまなメリットがあります。

企業の若返りが期待できる

20代の若手人材を採用することで社員の年齢構成のゆがみが解消され、企業の若返りが見込めます。将来の幹部候補やリーダー候補の育成も視野に入れられるため、企業全体の成長にもつながります。

自社に沿った社員形成ができる

未経験者を対象とするポテンシャル採用には、自社の教育方針や組織体制に合わせた社員形成ができるといった利点があります。

たとえば、実務経験者を対象とした中途採用の場合、入社後に仕事の進め方や方針の違いによって違和感やストレスを覚える人もいます。

一方、未経験者も採用の対象とするポテンシャル採用では、職務の経験がないぶん、会社の風土になじみやすく、自社の色に沿った育成を行いやすい点が特徴です。

採用ターゲットの幅を広げられる

ポテンシャル採用は、新卒だけでなく第二新卒・中途採用の求職者も対象です。採用ターゲットの幅を広げることで、新たなフィールドでの採用活動が可能になります。

特に新卒採用では、大手企業に応募が集中しやすい傾向にあります。知名度が低く採用予算が限られている中小企業ほど、自社が求める人材と出会うのが難しくなります。その点、ポテンシャル採用では以下のような人材を獲得できるチャンスがあります。

  • 新卒で第一希望の企業に就職できなかった人
  • 現在の職種が合わず、未経験の職種への転職を検討している人
  • 将来のキャリアのために異業種にチャレンジしたい人

未経験や異業種からの転職希望者も対象に加えることで、自社に必要な人材と出会える可能性が高まります。

ポテンシャル採用のデメリット

企業にとってメリットの多いポテンシャル採用ですが、デメリットがあることも理解しておきましょう。

人材育成にコストがかかる

社会人経験の少ない新卒や第二新卒を採用するため、教育や研修にコストがかかります。

専門的な知識や技術が必要な業務では、長期的な育成コストがかかる可能性もあります。採用前には、育成期間や教育担当者の人数などを検討し、事前に採用コストを把握しておくことが重要です。

早期離職の可能性がある

未経験や異業種からの転職も多いため、業務内容や職種がマッチせず、早期離職に至る可能性もあります。採用面接では、以下のような項目をヒアリングして自社とマッチする人材かどうかを見極めることが重要です。

▼採用面接でヒアリングするとよい項目

  • 前職の退職理由
  • 志望動機
  • 入社後の目標
  • 将来のキャリアビジョン

また、企業によって求めるポテンシャル(潜在能力)の概念は異なります。採用のミスマッチを防ぐために、自社に有効であると思われるポテンシャルとは何かを明確に定義しておくことが重要です。

ポテンシャル採用の手法

ポテンシャル採用では、求職者の潜在能力を見極められる採用手法を取り入れることがポイントです。ここでは、ポテンシャル採用に有効な3つの採用手法を紹介します。

①ミートアップの開催

ミートアップとは、企業と求職者の交流を深めるためのイベントです。選考の面接やグループワークとは異なり、カジュアルな雰囲気で行われるのが特徴です。

緊張感をほぐし、自然なコミュニケーションが生まれることで、求職者の資質や性格などを引き出しやすくなります。社員や求職者が一堂に会するイベントを実施できないコロナ禍では、オンラインでミートアップを実施している企業もあります。

②SNSの活用

ポテンシャル採用にSNSを活用する方法もあります。若年層が利用するSNSで採用情報を発信することで、自社の求人が若手人材の目に留まりやすくなるほか、拡散効果も期待できます。

普段の仕事風景やオフィスの雰囲気などを飾らずに伝えられるため、自社の魅力を知ってもらうきっかけづくりにも有効です。

③人材紹介サービスの活用

効率的に採用活動を進めるために、人材紹介サービスを利用するのも一つの方法です。自社が求める条件に合う人材を見極めて紹介してもらえるため、入社後のミスマッチを防げます。

人材紹介サービスを活用するなら、全国の人材紹介に対応しているサービスを選択しましょう。

たとえば、エンリージョンは、UIターン転職サービスを展開しているリージョナルキャリアに加盟しており、地方に複数の拠点を構えています。

そのため、優秀な地方在住の人材や、地方への就職を希望している人材紹介が可能です。さらに、候補者とのやり取りの代行や入社後のフォローなども依頼でき、内定辞退や入社後の早期離職を防止します。ポテンシャル採用におけるミスマッチに不安がある場合にも有効です。

まとめ

求職者のスキルや経験ではなく、資質や将来性を重視するポテンシャル採用。若手の人手不足の解消や企業の若返りなど、さまざまなメリットが期待できます。

ただし、スキルや経験などがない人材を採用することで育成コストがかかること、ミスマッチや早期離職が起こりやすい点には注意が必要です。

ポテンシャル採用を行う際は、自社有効であると思われるポテンシャルの定義を明確にするとともに、志望者から志望動機や将来の目標などを聞き出し、自社とマッチする人材かを見極めましょう。

エンリージョンなら、未経験や異業種からのUIターンを希望する人材の紹介が可能です。地方企業への転職を希望している意欲的で優秀な人材の獲得に向けて、活用を検討されてみてはいかがでしょうか。