近年、多くの若者たちが都心部だけでなく、地方にも憧れを抱いています。そうした中で、U・Iターン転職という言葉を耳にしたことがある人も増えているのではないでしょうか。UターンとIターンは都心部から地方に移動して働くという意味では共通していますが、違いもあります。

本記事では、U・Iターン転職について分かりやすく解説した後、U・Iターン転職のメリットやデメリット、ベストなタイミングなどを解説します。

目次

1. U・Iターン転職とは
   1. Uターン
   2. Iターン
2. U・Iターンのメリット・デメリット
   1. メリット
   2. デメリット
3. U・Iターンをするベストなタイミング
4. まとめ
   

   U・Iターン転職とは

   U・Iターンとは、UターンとIターンを併せた言葉です。UターンとIターンは都心部から地方へ移動するという点では共通していますが、この二つには相違点もあります。

   ここでは、UターンとIターンの違いをそれぞれ見ていきましょう。

   Uターン

   Uターンとは、地方で生まれ育った人が進学や就職を機に都心部へ出たものの、また生まれ育った地域に戻ることです。この移動線がUの字を描くため、Uターンといわれています。

   都心部で働いていた人が地方に戻る理由はさまざまです。例えば、自分にとって馴染みのある地域で働きながらゆったりと暮らしたいなどの理由があります。

   他にも、家族の介護をしなければならない、実家から育児のサポートを受けたいといった事情で、地元に戻る人も多いです。

   Iターン

   Iターンとは、都心部で生まれ育った人が地方へ就職、もしくは転職することです。この移動線が真っ直ぐであるためIターンと呼ばれています。

   都心部での生活を窮屈に感じていた人や、自然が好きな人、あるいは地方ならではの文化や慣習に憧れを抱いていた人たちがIターンを検討する傾向にあるのです。

   近年、多くの市町村が移住施策に力を入れてIターンを受け入れようとしています。例えば、移住者への補助金支給や子育て支援など、地方自治体が都心部からの移住者を受け入れようと努力しているのです。

   またIターン転職だけでなく、起業家志望・フリーランス志望を応援する自治体もあります。オフィスの提供や住居支援など、これからビジネスを立ち上げようという人たちのサポートをする自治体も出てきました。

   このように地方自治体がさまざまなサポートを実施することで、Iターンのハードルは段々と下がりつつあるのです。

   U・Iターンのメリット・デメリット

   現在、人気を集めているU・Iターンですが、メリットとデメリットがあります。

   U・Iターンを検討している人は、メリットだけではなく、デメリットについてもよく理解しておくようにしてください。

   メリット

   U・Iターンのメリットとして、以下のメリットが挙げられます。

   ・自然を感じながら暮らせる
   U・Iターンをすると、自然の中で暮らす生活を実現できます。

   都心部には商業施設やオフィスビルが多く建っている一方、自然は少なめです。

   一方、地方には山や川、田んぼなどが家の近くにあることも多く、日常的に自然を感じることができます。地域によっては、サーフィンやキャンプなどのアクティビティを楽しむ文化もあります。

   都会よりも自然が好きな人にとっては、キレイな水とキレイな空気に囲まれて生活できるのが大きな魅力でしょう。

   ・子育てしやすい
   都心部では、人口の集中などにより待機児童が大きな問題となっています。しかし地方の場合、都心部と比較して保育園の空きがある市町村も多い傾向にあり、働きながら子どもを育てることも地域によっては難しくないでしょう。

   また、地域によっては出産時に一時金やプレゼントが支給されたり、医療費助成制度があったりします。補助金制度などを利用することで、金銭的に余裕を感じながら、子育てできるのも魅力です。

   Uターンの場合は、実家の親御さんに子育てをサポートしてもらったり、子どもを預かってもらったりすることもできます。子育てを夫婦のみで行うのではなく、身内からのサポートを受けられる点も大きなメリットです。

   ・就職や転職を支援してもらえる
   U・Iターンの場合、就職や転職の支援を受けることができます。支援内容の中には通勤にかかる交通費の補助、移住先で就職が決まった際のお祝い金の支給など、金銭的に助かるサポートも多くあります。

   また、地方には働き手を必要としている企業も多いです。自治体によっては、企業と働き手を結び付ける取り組みを行っています。

   ・生活費を抑えられる
   地方は都心部と比較して、家賃や物価が安い傾向にあります。そのため、地方に転職したことで給料が下がってしまっても、生活水準を変えずに済むことも多いです。

   また、社宅などを準備している企業に転職できれば、U・Iターンをしたことで生活費がさらに抑えられることもあります。

   デメリット

   U・Iターンのデメリットとして、以下のデメリットが挙げられます。

   ・就職の選択肢が少ない
   地方にもよい求人はあるものの、都心部と比べると少ない傾向にあります。

   自身の携わりたい業界や活かしたい資格を移住先で満たせるかどうか、移住前に検討しましょう。地方自治体や転職エージェントを活用し、自分に合った求人があるのか探してみることをおすすめします。

   ・移住先に馴染めない可能性がある
   都会と地方では生活スタイルにいくらかの違いがあります。

   都心部では近所付き合いが希薄なエリアも珍しくありませんが、地方では近所付き合いを求められることも多いです。地域によっては行事への参加を求められることもあるでしょう。

   また、移動方法も都心部と地方では異なります。都心部では公共交通機関が発達しているため移動に困りません。しかし、都心部から外れると車社会の地域も多く、車の購入が必要になるかもしれません。

   U・Iターン転職をする前に、車の購入が必要なのか調べておきましょう。

   U・Iターンをするベストなタイミング

   U・Iターン転職は30代前半がベストなタイミングです。前述のように、地方では募集されている職種が限られることもあるため、20代の内は都心部でさまざまな経験を積んでおくことをおすすめします。

   しかしデメリットを理解しつつ、今すぐU・Iターン転職をしたい人もいるでしょう。例えば、子どもを公立中学校に進学させ、教育費を抑えたい方。あるいは、都市部でベビーカーを使っての子育てが不安な方は地方での転職を検討してみてもよいかもしれません。

   都市部から地方へのU・Iターン転職は、年収は下がるケースがほとんどです。しかし、それ以上のメリットを享受できる可能性もあるので、U・Iターン転職に詳しいエージェントに相談することをおすすめします。

   まとめ

   U・Iターン転職とは、都心部から地方に移動して働くことです。Uターン転職は地元に戻って就職することをいい、Iターン転職はこれまで馴染みのない地方での生活を始めることをいいます。

   U・Iターン転職では都心部にはないさまざまなメリットを得られます。都心部にはないゆったりとした雰囲気で生活できたり、自然を日常的に感じながら暮らしたりできます。また、野菜や果物を多く収穫しているエリアであれば、野菜や果物をお得に購入できることもあるでしょう。

   30代になってこれからのキャリアについて迷いがある人や、子育てについて不安がある人はU・Iターンを検討してみることをおすすめします。