採用計画の立て方解説! 5つの基本ステップと3つのポイント
企業における採用計画は今後の経営や事業方針に影響する活動の一つです。
自社にマッチする人材を募集・育成して生産性の向上や成長につなげていくためには、採用計画の立案が欠かせません。
この記事では、人事・採用部門が採用計画を立てる目的をはじめ、具体的な採用計画の立て方やポイントなどを解説します。
目次
- 1.企業が採用計画を立てる目的
- 2.【5つの基本ステップ】採用計画の立て方
- 2.1.①採用課題・ニーズの洗い出し
- 2.2.②採用目標の明確化
- 2.3.③採用ターゲット・条件の設定
- 2.4.④採用手法の選定
- 2.5.⑤選考スケジュールの策定
- 3.採用計画を立てる際のポイント
- 3.1.①採用市場の動向を調査する
- 3.2.②競合他社の採用条件を考慮する
- 3.3.③PDCAサイクルを回して採用計画を見直す
- 4.まとめ
企業が採用計画を立てる目的
採用計画の目的は、ただ単にスケジュールや人数を決めることだけではありません。企業の事業計画に沿って採用活動を行い、経営目標を達成することが目的です。
採用ターゲット・人数・部署・時期などをあらかじめ決めることで、採用のミスマッチを防ぎ、効率的に採用活動が進められます。そのほか、採用コストの算出や有効な採用手法を検討するためにも重要です。
【5つの基本ステップ】採用計画の立て方
ここでは採用計画を立てる際の具体的な手順について、5つのステップで解説します。
①採用課題・ニーズの洗い出し
まず、採用計画を立てるうえでは自社の採用課題やニーズの把握が不可欠です。
▼採用課題やニーズの例
- 従業員の離職により事務職の人員が不足している
- 事業拡大に向けて営業人員の増員が必要
- チームの再編成により専門スキルを有する人材が必要
- 管理者やマネジメント人材が不足していてスキルアップを図れない
経営者層だけではなく、人事部、現場で働く従業員の声を取り入れながら自社のニーズを具体化させていくことが重要です。
②採用目標の明確化
次に、経営者層や現場、人事担当者との認識を統一するために採用目標を明確化する必要があります。その際、人材の補充だけではなく、生産性の向上やスキルアップ、年齢構成の偏りの解消など、将来的な目標を決定することが重要です。
今後の経営方針や事業計画を考慮したうえで、以下のような項目を明確化します。
▼採用目標を明確化する項目
- 部署
- 職種
- 役職(ポジション)
- 採用人数
- 採用にかかる予算
目標に対して共通認識を持つことで、採用プロセスのなかで部署間のミスマッチが生じるのを防ぎます。採用後の教育体制を加味したうえで、受け入れられる採用人数を決定するのも重要です。
③採用ターゲット・条件の設定
自社が求める人物像から逸れないように、採用ターゲットと採用条件を具体化させせることも大切です。人材採用が必要な現場からヒアリングを行い、求める人物像を社内で共有します。
▼具体化が必要な要素
- 保有スキル(資格、専門知識)
- 経験・未経験(前職での業種・職種、学生時代のアルバイト経験)
- 資質(コミュニケーション能力、忍耐力、適応力)
- 適性(性格、価値観、思考プロセス)
- 雇用条件(待遇、勤務形態、雇用形態、配属エリア)
人物像や採用条件を明確化することで採用担当者の選考基準を統一できるようになり、入社後のミスマッチを防止できます。
④採用手法の選定
採用ターゲットに対して、どのようにアプローチするか採用手法を選定します。この際、採用予算を踏まえつつ、求める人物像と接点を図れる手法を選ぶことが重要です。
▼採用手法別のメリット・デメリット
【自社サイト】
- 概要:自社Webサイトに採用情報を掲載する
- メリット
コストを抑えられる
自社に興味がある人材が集まる - デメリット
大量採用には不向き
【就職・転職サイト】
- 概要:Web媒体の就職サイト等に採用情報を掲載する
- メリット
自社に合った人物をターゲティングしやすい
意欲的な人材が集まりやすい - デメリット
採用に至らなくても掲載の労力・コストが発生する
【人材紹介サービス】
- 概要:人材紹介会社に人材を紹介してもらう
- メリット
採用するまでコストが発生しない
採用担当者の負担を軽減できる - デメリット
採用コストがかかる
自社に採用ノウハウが蓄積されない
【ダイレクトリクルーティング】
- 概要:企業が直接求職者へアプローチする
- メリット
採用コストを抑えられる
自社の求める人材へ直接アピールできる - デメリット
自社で行う場合、業務負担が増える
アプローチのためのノウハウが必要
【ソーシャルリクルーティング】
- 概要:SNSを利用して採用活動を行う
- メリット
拡散力が高く、公募では出会えない人材と出会える
採用活動にかかるコストを抑えられる - デメリット
継続的な情報発信が必要
コンテンツの制作や候補者とのやり取りに労力がかかる
⑤選考スケジュールの策定
最後に、内定・入社に至るまでのスケジュールを策定します。
ただし、採用手法によって選考プロセスや工数が異なるため、事前に必要期間を見積もることが欠かせません。選考過程のスケジュールだけではなく、内定後の入社準備やレクリエーション、研修などにかかる期間も含めて計画を立てることが重要です。
採用計画を立てる際のポイント
採用計画を立てるときに気を付けておきたいポイントが3つあります。
①採用市場の動向を調査する
社会情勢に応じた採用計画を立てるために、採用市場の動向を把握しておく必要があります。
「求職者がどのような就職・転職活動を行っているか」「どのような条件の企業を選ぶか」などを調査するのがポイントです。採用ターゲットを絞り込み、有効な採用手法の選定するうえで役立ちます。
②競合他社の採用条件を考慮する
競合他社の採用条件は求職者に比較されるポイントの一つです。自社を選んでもらうためには、競合他社と差別化できる要素を提示する必要があります。
競合他社の選考フロー・給与水準・魅力的な労働条件などを自社と比較したうえで、採用条件や選考フロー、アピールポイントの改善などを検討しましょう。
③PDCAサイクルを回して採用計画を見直す
策定した採用計画に対して効果検証を実施して採用計画を見直すことも大切です。「募集が少なかった」「内定辞退が多かった」「入社後のミスマッチが多かった」など、採用実績を蓄積して分析します。
分析結果に基づいて採用手法・条件・選考基準などを見直すことで採用活動の効率化が図れます。継続的にPDCA(Plan Do Check Act)サイクルを回すことでミスマッチの減少による工数の削減やコスト損失の防止につながります。
まとめ
経営ビジョンを踏まえつつ、効率的に採用活動を進めるためには、採用計画の策定が必要です。
しかし、採用計画の策定には目標設定やスケジュール調整、効果検証などさまざまなプロセスが発生するため、採用担当者に負荷がかかるケースもあります。
『エンリージョン』の採用代行サービスでは、採用計画の立案から選考、振り返りに至るまで一貫したサポートを行います。採用担当者の負荷を軽減しながら、企業さまとともに採用課題を解決に導きます。
自社の人事・採用部門だけで対応が困難な場合には、採用代行サービスの活用を検討してみてはいかがでしょうか。