転職時の健康保険証の切り替え方は?ブランクが長い場合は?必要な手続き方法
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転職の際にはさまざまな重要な手続きがあり、その一つが健康保険に関する手続きです。会社を辞めるとき健康保険証は会社に返却する必要があるため、再就職までの期間に応じて加入保険について考えなければなりません。
医療機関での治療中の持病がある方や通院予定のある方は、健康保険に関する各種手続きが遅れないよう、特に注意してください。
そこで本記事では、転職時に健康保険をどうすればよいか確認した上で、転職活動が長引く場合や転職先が決まった場合にとるべき行動などについて解説していきます。
目次
- 1.転職時、健康保険証はどうすればいい?
- 2.転職活動が長引く場合の健康保険への対応方法
- 3.転職先が決まった後の健康保険の手続き方法
- 4.転職先が決まった後、すぐに保険証が必要な場合にすべきこと
- 5.まとめ
転職時、健康保険証はどうすればいい?
健康保険証の使用は退職日までと定まっています。そのため、退職者本人、およびその被扶養者(家族)の保険証は退職日の翌日以降、使用できなくなるため注意が必要です。また、会社は退職した従業員の健康保険証を協会けんぽや組合健保などに5日以内に返却することが義務付けられています。
退職日までに返却を怠ってしまうと、退職した会社、もしくは協会けんぽや組合健保などから連絡がきて返却を求められます。失効した健康保険証を使用すると、協会けんぽや組合健保などに負担してもらった金額を全額返納しなければなりません。また、保険証の返却が遅れると、退職した企業の担当者に手間や負担がかかり、迷惑をかけることになるので注意してください。
治療中の病気があるなど、健康保険証をすぐに使う場合は注意が必要です。前述のとおり退職日の翌日に使用する資格が失効するため退職日に健康保険証を使用することはできますが、それ以降は使用できません。また、健康保険証を失効する直前まで使用したい方は、会社に郵送などで返却できないか確認してみてください。
転職活動が長引く場合の健康保険への対応方法
日本に在住する人は全て健康保険に加入する義務があるため、退職日の翌日から次の会社に入社するまでの期間が1日でもある人は別の健康保険に加入しなければなりません。
また、退職によって健康保険証が使用できなくなると、本人同様に被扶養者も健康保険証を使用できなくなります。
転職活動が長引き、再就職までにまとまった期間がある場合はどう対応すればよいのでしょうか。
ここでは、転職活動が長引く場合の健康保険の加入について解説していきます。
任意継続の選択
任意継続とは、以前働いていた会社で加入していた保険を継続する制度で、最長で2年間におよび継続できます。また、条件を満たすことができれば、家族を被扶養者にすることができ、追加した家族の保険料はかかりません。
ただし、任意継続するためには以下の条件をクリアしなければなりません。
・継続して2カ月以上の被保険者期間が退職日以前にある
・退職日の翌日から20日以内に手続きを行う
以前までは任意継続を一度開始すると、2年間は国民健康保険に切り替えを行うことができませんでしたが、令和4年1月1日より本人が希望すれば資格を喪失できるようになりました。任意継続の場合はこれまで会社が負担してくれていた保険料も自分で支払うことになるため、保険料の負担が大きく増えます。国民健康保険や家族の扶養への加入の場合と比べて、家族などの状況に応じて切り替えを検討してみましょう。
国民健康保険への加入
国民健康保険は74歳以下で加入条件を満たしている人は、誰もが加入できる保険です。
国民健康保険への加入手続きは、退職日の翌日から14日以内に行う必要があります。手続きを行う際、前職の会社を退職したことを証明できるものの提出が求められます。一般的に、退職した会社から健康保険の資格喪失連絡票などを発行してもらいますが、それが難しい場合などは雇用保険の離職票の写し、もしくは健康保険資格喪失証明書でも構いません。
国民健康保険では扶養している人の分も加入が必要です。そのため、これまで扶養していた家族の人数分の支払いが必要になります。
また、年収が高いと月々支払わなければならない保険料も高くなります。
家族の扶養への加入
仕事を退職したら、家族の扶養に入ることも場合によっては可能です。例えば、既に成人し、働いている子どもの保険に加入することもできます。また、夫が仕事を辞める代わりに、妻が働き始めた場合、夫は妻の保険に加入できるケースもあります。
ただし、被扶養者となるには条件をクリアする必要があります。被扶養者となる条件はこれまでも定められていましたが、2018年10月から厳しくなりました。収入などを証明できる公的書類を提出して申請を行い、審査に通過しなければなりません。そのため、家族の保険に加入したいと考えている方は、条件などを事前によく確認しておくようにしましょう。
また、家族の扶養に入るときには国民健康保険に切り替えを行うときと同様、会社を退職したことを証明できるものを提出しなければなりません。
家族の扶養に入ることで保険料負担なしに健康保険に加入できるため、転職による家計への負担を軽減できます。ただし、扶養家族は出産手当金などが支給されないため注意してください。また、転職活動中に多くの収入を得た場合は扶養の対象外となるため、自分で健康保険に加入しなければならなくなります。
転職先が決まった後の健康保険の手続き方法
転職先が決まったら、前の会社で発行された健康保険資格喪失証明書を再就職先に提出してください。この証明書を提出することで、新しい健康保険への加入手続きを行えます。健康保険資格喪失証明書は、退職の際にもらう書類に通常含まれています。
健康保険の加入に必要なその他の書類は会社が準備してくれるため、担当者の指示に従って書類を記入し、期日までに提出しましょう。手続きが順調に進めば、書類の提出から約1週間後に新しい健康保険証を受け取ることができます。
転職先が決まった後、すぐに保険証が必要な場合にすべきこと
入社が決まり、健康保険証を新しく受け取れることが決まっていてもすぐに受け取れるわけではありません。交付されるまでに1週間から3週間程度かかるのが一般的です。
健康保険証が手元に届くまでの期間に受診の予定がある方は、転職先の人事に相談してみてください。保険証が届くまでの期間、保険証に代わって使用できる健康保険被保険者資格証明書を発行してもらえることもあります。
まとめ
会社を退職する場合、退職日の翌日から健康保険証を使用できなくなります。そのため、退職日から再就職までの期間、自分自身で健康保険に加入しなければなりません。また、扶養家族がいる場合は、扶養家族についても健康保険証を利用できなくなるため気を付けてください。
再就職できるまでに想定していたよりも時間がかかるケースは多いです。再就職がいつできるかは明確には分からないため、離職の際は健康保険について長期的なスパンで検討しておくといいでしょう。