転職先の内定を辞退したい…内定承諾後に辞退できる?やり方と注意点
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就職活動や転職活動で複数の企業から内定をもらった場合は、1つの企業に絞らなければなりません。
同時に、いくつかの企業の内定を辞退する必要が出てきます。
そこで今回は、内定承諾後でも辞退をすることは可能なのか、辞退するマナーや方法についてまとめました。
目次
- 1.内定承諾後の辞退はできるか
- 2.【年齢別】内定承諾後に辞退するリスク
- 3.承諾後に辞退する方法
- 4.入社直後に辞めることはできるのか
- 5.辞めた理由の伝え方
- 6.まとめ
内定承諾後の辞退はできるか
結論からお伝えすると、内定承諾後でも辞退することは法律上問題ありません。
こちらは民法627条に記載されている内容です。
当事者が雇用の期間を定めなかった時は、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する。
引用:第627条内定を辞退することは、この条文の言う「雇用の解約の申入れ」と同じ意味になります。
そのため、「内定承諾書」や「誓約書」にサインした後でも、法律上は辞退可能です。しかし、法律で禁止されていないからといって、むやみやたらと内定を辞退することは良くないですよね。
企業側も、あなたに内定を出した時点で入社に向けての準備をしてくれています。内定を辞退されてしまったら、再度採用試験から行わなければいけません。
内定を承諾する際は、「本当にこの会社で働きたい」と思った会社を選ぶようにしましょう。
また、やむを得ない理由で辞退をする場合は、なるべく早く辞退する旨を連絡してください。保留にしてもらいたい場合は、内定承諾前にきちんと伝え、1週間以内には承諾か辞退を伝えましょう。
内定承諾後に辞退するリスク
次に、内定承諾後に辞退するリスクについて解説します。
法律上は問題ないとお伝えしましたが、多少のリスクが伴うことを知っておきましょう。
辞退の取り消しは基本的にできない
内定承諾後に辞退する1つ目のリスクは、同じ企業に就職することは難しいということです。
一度内定承諾後に辞退の意向を伝えてしまうと、「やっぱりこちらで働かせていただきたい」といった取り消しは難しいでしょう。
辞退の連絡を受けた時点で、会社側は代わりの人材を探さなければなりません。同じ会社が2次選考、3次選考で募集しているところに再応募することは可能ですが、辞退したというマイナスイメージがあるので、再度選考を通ることは難しいと考えた方が良いでしょう。
子会社や関連企業への影響
内定を辞退したとしても、他の会社の選考に辞退したことが響く可能性は低いです。
しかし、次に受ける会社が、辞退した会社の子会社や関連企業の場合は少し注意が必要になります。
辞退する時に連絡が遅かったり、音信不通になったり、といった悪い対応をしていれば、その情報は共有されている可能性があります。
「内定を辞退したら、この会社との関係はなくなる」などと考えずに、全ての会社に誠意ある対応をするようにしましょう。
損害賠償を求められたケースもある
先ほど法律的には問題がないと述べましたが、稀に損害賠償を求められるケースがあります。
例えば、内定が決まっていたにも関わらず、入社の直前になって辞退を申し出たことで、選考費用をはじめとした機会損失などの損害賠償が請求されたケースです。
しかし余程のことがない限り、企業側が訴訟を起こす可能性は高くありません。
企業が内定者に訴訟を起こしても、結果として企業側の印象が悪くなり、イメージダウンにつながるからです。
今ではSNSが発達し、様々な情報がネット上にあふれています。会社が個人に対して訴訟を起こしたとなれば、その情報も一気に広がりますよね。不満に思った人や報道関係から多くの問い合わせが殺到し、業務が滞ってしまう可能性も。さらに、裁判をするためには費用と労力も必要です。
とは言っても、社会人のマナーとして、お互いが気持ちよくやり取りができるよう、内定を辞退したい場合はなるべく早く連絡するようにしましょう。
承諾後に辞退する方法
ここからは、内定承諾後に辞退する方法を電話の場合とメールの場合の2パターンに分けて紹介します。
電話の場合
内定を辞退する旨を伝える方法は、電話連絡がベターです。
電話で伝える際のポイントは、内定への感謝の気持ちと、辞退することへの謝罪の気持ちを伝えること。さらに、辞退する決意は固いということを、分かりやすく簡潔に伝えてください。
一身上の都合とにごすことも可能ですが、それでは説得力に欠けます。自分自身や家族の突発的な事故や病気などやむを得ない理由の場合は、素直に伝えましょう。
そして、他の企業への内定が出てそちらに行くのであれば、はっきりと理由として伝えてOKです。
メールの場合
内定辞退は、基本的に電話で伝えるのがマナーです。
しかし、相手側の都合で担当者になかなか連絡がつながらない場合は、先延ばしにせずにメールで伝えた方が良いでしょう。
メールの場合は、直接電話で伝えることができなかったことへの、お詫びの言葉も必ず添えるようにしてください。辞退する理由を伏せても構いませんが、電話での連絡と違って相手の感情が読み取れないため、理由も記載しておく方がおすすめです。
企業によっては膨大な量のメールのやり取りをしているところもあるので、流れてしまわないよう、件名に「内定辞退のご連絡」と記載しましょう。
入社直後に辞めることはできるのか?
採用が決まって仕事を始めてみたものの、すぐに退職したいと思う人もいるでしょう。
思っていたより人間関係が複雑だったり、希望の部署に配属されなかったりと、理由は様々です。
ここでは、入社直後に退職するリスクについて紹介します。
保険料の支払いが複雑になる
入社してすぐに雇用保険に入るため、すぐに辞めるとなると保険料の支払いが複雑になります。
主に、社会保険料、厚生年金保険料、雇用保険料の3つに注意が必要です。
あまりにも勤務した日数が短いと、日割りにした給料よりも保険料の方が高くなる可能性があります。
次の転職活動にリスクが伴う
退職した後、すぐに転職することは可能です。
しかし、履歴書を元に以前の勤務について、面接で詳しく聞かれます。
新しく面接を受ける会社では、前の会社のようにすぐに辞めたりはしないという、強い意志を伝えるようにしましょう。
辞めた理由の伝え方
新しい企業で前の会社を辞めた理由を尋ねられた時、大切なのは嘘をつかない、正直に話すことです。
面接で取り繕うように理由を並べても、後々話のつじつまが合わなくなると、不信感を抱きかねません。
伝えにくい退職理由だったとしても、柔らかい言葉選びに気をつけつつ、正直に話すようにしましょう。
人間関係や、勤務環境など、マイナスな理由を伝えることにはなりますが、ネガティブな印象はNGです。
辞めた会社や、そこで働く職員に対しての敬意を持ち、ポジティブなイメージをつけることがポイントです。
まとめ
内定承諾後の辞退は、法律上問題はありません。しかし社会人としてのマナーを守って対処する必要があることが、お分かりいただけたでしょうか?
これから新しい環境での勤務を気持ちよく始められるよう、辞退する会社にも誠意を持って連絡をするようにしてくださいね。