Uターン採用に多い年齢層や重視するスキルは? 人材の発掘方法も解説
少子高齢化に伴う人材獲得競争の激化により、地方中小企業における人材採用が難しくなっています。一方で、コロナ禍におけるテレワークの促進や地元・郊外での生活への関心などから、Uターンで地方転職を希望する人材も一定数存在しています。
地方企業が人材を獲得していくためには、Uターン人材に求めるスキルを明確化して有効な人材発掘方法を検討することが重要です。この記事では、Uターン採用の年齢層を踏まえ、採用活動で重視するスキルや人材発掘の方法について解説します。
出典:経済産業省『令和元年度 大企業人材等の地方活躍推進事業』
目次
- 1.Uターンに多い年齢層
- 2.【年齢別】Uターン採用で重視するスキル
- 2.1.20代前半:ポテンシャル
- 2.2.20歳半ば~30歳ごろ:即戦力・マネジメント力
- 3.Uターン人材の発掘に有効な方法
- 3.1.地方合同説明会への参加
- 3.2.Uターン希望者向け就職サイトへの求人掲載
- 3.3.人材紹介サービスの利用
- 4.まとめ
Uターンに多い年齢層
Uターン人材を採用するにあたり、ターゲットとなる年齢層を把握しておく必要があります。
総務省『地域への人の流れに関するデータ』によると、Uターン人材の年齢は、22歳が20%ともっとも多くなっています。
▼Uターン年齢の分布
画像出典:総務省『地域への人の流れに関するデータ』
Uターンの年齢層は20~25歳ほどに比較的多く、30歳ごろまで一定数見られるのが特徴です。
また、Uターンのきっかけ別で見ると22歳の4割が就職を機に地方へUターンしています。これに対して転職・結婚などを機としたUターンは20代半ば~30歳ごろまでで約1割です。
出典:総務省『地域への人の流れに関するデータ』
【年齢別】Uターン採用で重視するスキル
Uターンは20代~30代に多い傾向があります。しかし、これらの人材を採用する際は、年齢によって求められるスキルが異なります。
20代前半:ポテンシャル
新卒や社会人経験の少ない20~25歳は、具体的な業務スキルよりもポテンシャルを重視する必要があります。
▼20代前半で必要とする人材の例
- 新しい環境に順応する意思がある人材
- 自社の風土や価値観と相性がよい人材
- 積極的に学ぶ姿勢がある人材
採用活動を行う際は、業種・職種を絞らずに人材の性格や価値観に目を向ける必要があります。選考時は自社とのマッチ度や環境への適応性などを判断するのもポイントです。第二新卒の場合は基礎的なビジネスマナーが備わっていることも必要といえます。
20歳半ば~30歳ごろ:即戦力・マネジメント力
20歳半ば~30歳ごろは、社会人経験をある程度積んだ年齢となるため、入社後に即戦力となる人材が求められます。
▼20歳半ば~30歳頃で必要とする人材の例
- 同業種の経験者、専門知識のある人材
- リーダーシップやマネジメント力のある人材
- 自社の職場になじみやすい協調性のある人材
即戦力化が期待できる同業種の経験者のほか、未経験であっても組織・チームを動かすスキルが必要です。前職で培ったスキル・ノウハウが自社で役立つか、現場の従業員を指導・育成できるかなどを見極めましょう。採用にあたっては、職種や役職、スキルなどを絞ったうえで条件設定を行うのがポイントです。
Uターン人材の発掘に有効な方法
Uターン人材を確保するためには、求職者と接点を持ちやすく効率的に選考を進められる採用手法を取り入れる必要があります。ここでは、Uターン人材の発掘に有効な3つの方法を紹介します。
地方合同説明会への参加
地方企業を対象とした合同説明会に参加する方法があります。Uターンを希望する人材が集結するため、効率的に求職者を発掘できる利点があります。
新卒向け・転職向けなど採用ターゲットを絞った説明会もあるため、採用計画に応じて選定すると、より自社にマッチした人材を見つけやすくなります。なお、合同説明会は自治体や人材サービス会社などが実施しているのが一般的です。
Uターン希望者向け就職サイトへの求人掲載
就職サイトを利用するのも一つの方法です。インターネットを利用する幅広い求職者に見てもらえる可能性があります。求職者は地方企業のエリア・採用条件を検索できるため、条件にマッチする人材と出会いやすくなる利点もあります。
ただし、さまざまな企業が利用するため求人が埋もれてしまい応募が集まらない可能性があるほか、候補者が多い場合は選考のスクリーニングにも労力がかかってしまいます。就職サイトを活用する際は、採用工数やコストなどを考慮することがポイントです。
人材紹介サービスの利用
人材紹介サービスを利用するのも有効な方法です。企業が求める人材と地方で働きたいという求職者の条件をすり合わせて自社に適した人材を紹介してもらえます。
利点は、人材のポテンシャル・スキルなどを見極めたうえで選考に進める点です。求人募集への応募が思うように集まらない地方の中小企業においても、効率的にUターン採用を進められます。採用工数も削減できるため、人事・採用担当者の負担軽減にもつながります。
『エンリージョン』では、地方転職に特化した人材紹介サービスを提供しています。地方在住の人材に限らず、現在首都圏で活躍しているUターン希望者を紹介することも可能です。
年齢別に必要とするスキルを考慮したうえでマッチングするため、就職サイトや説明会で採用に至らなかった企業さまも自社に合った人材と出会えます。
まとめ
Uターン希望者は20代前半がピークとなり、30歳ごろまで一定数見られます。20代前半のUターン人材を採用する際は、経験・未経験に重きを置かずに資質的な面を重視することで採用の幅を広げられます。
20歳半ば~30歳を採用する場合は、スキル・経験などの採用条件を設定しておくことで即戦力となる人材を獲得しやすくなります。このように年齢に応じた採用条件・選考基準を明確化しておくことがポイントです。
また、Uターン人材を発掘するには、合同説明会の参加、就職サイトへの広告掲載などの方法があります。採用工数を削減し、効率的に自社にマッチする人材と出会うために、人材紹介サービスの活用も視野に入れてみてはいかがでしょうか。