部下への発言に気を付けていますか?83%の上司が「ハラスメント」のトラブル回避に部下への発言を躊躇
コンサルタントブログ
メディアなどで「ハラスメント」が取り上げられ、多くの人が認識・意識するようになっていますが、何が「ハラスメント」なのか正しく理解できていないことがうかがえます。それによって必要以上にトラブルを恐れ、職場では上司と部下のコミュニケーションに支障が出ている現状もあります。
そこでダイヤモンド・コンサルティングオフィス合同会社が、2021年12月9日から12月10日にかけて、3人以上の部下とコミュニケーションをとっている30代から50代の会社員(管理職)312人を対象に、「上司と部下のコミュニケーションにハラスメントのトラブル回避がどのような影響を与えているかの調査」を実施しました。
管理職312人の83%が部下への発言を躊躇
『部下への指導やコミュニケーションをとる際に、「この発言は、ハラスメントになってしまうのではないか」という不安を感じ、部下への発言を躊躇したことがありますか?』と質問したところ、「はい」との回答が全体の83%になっていることが分かりました。
また、『具体的にどんな場面での部下への発言について、「この発言は、ハラスメントになってしまうのではないか」という不安を感じたことがありますか?』と聞くと、「部下の仕事の仕上がりに不満があるとき」との回答が最も多く、次いで「失敗の言い訳をしてくるとき」、「ケアレス・ミスをしかるとき」などと続いています。
「部下の育成指導がしづらい」などの問題も
『「この発言は、ハラスメントになってしまうのではないか」という不安により発言を躊躇することで、業務遂行上どんな影響が出ていますか?』という質問をすると、「部下の育成指導がしづらい」が最多回答となり、「部下と関係構築のための十分なコミュニケーションがとりづらい」、「部下の能力開発をしづらい」などが続きました。
『これまでに「もしかしたら、部下から「ハラスメントです」と指摘されるかもしれない発言をしてしまった」と思った事はありますか?』との質問では、「はい」が全体の47.1%で、「具体的にどんな場面で「もしかしたら、部下から『ハラスメントです』と指摘されるかもしれない発言をしてしまった」と思いましたか?」と聞くと、「部下に対して叱ったり・注意したりする時」が最も回答として多く、次いで「部下に対して指導・指示・依頼する時」、「部下に対してほめる・気づかう・雑談する時」などとなっています。
こういったことから、上司がさまざまな場面でハラスメントを気にして発言していることがうかがえますね。
「ハラスメントです」と言われたことがある上司は11.9%
『部下から、「その発言はハラスメントです」と言われたことがありますか?』という質問をすると、「はい」が11.9%となった一方で、『「その発言はハラスメントです」と指摘された発言について、ご自身はどのように思っていますか?』と聞くと、「自分ではハラスメントになる発言とは思わない」との回答が最多になり、上司と部下の間で「ハラスメント」に対する認識が異なる場合もあるようですね。
また、『部下から「ハラスメントです」と言われることを恐れて、部下とはなるべく関わらないようにしよう、という気持ちになってしまった事がありますか?』と質問したところ、「はい」が41%になっていることも分かっています。
今回の調査結果から、「ハラスメント」のトラブル回避のために、部下への発言を躊躇している上司が多くなっているほか、部下と関わることを避けるケースも約4割で、育成や能力開発のみならず、マネジメント業務遂行の障害にもなっていることがうかがえました。しかし、具体的な事例や発言例についてのサポートを求める上司も多く、「ハラスメント」になる・ならないの境界線を把握し、発言に躊躇することなく、部下とコミュニケーションをとりたいと考える上司も増えてきているようですね。
▼外部リンク
ダイヤモンド・コンサルティングオフィス合同会社のプレスリリース(PR TIMES)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000058857.html