優秀なエンジニアを獲得するための採用戦略のポイント

東京におけるエンジニア(情報処理・通信技術者)の有効求人倍率は1.89倍と一般職業全体の1.23倍よりも高い状況です。(※2021年1月時点)

有効求人倍率だけでいえば、地方は都市部よりも有効求人倍率が高くなっているため、実務経験のある優秀なエンジニアの確保がさらに難しくなっています。

「優れたスキルを持ったエンジニアになかなか応募してもらえない」「実務経験のあるエンジニアの採用活動が難航している」などとお悩みの企業さまもいらっしゃるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、エンジニアの採用市場の現状を踏まえ、実務経験を持つ優秀なエンジニアを獲得するための採用戦略について解説します。

※出典:厚生労働省『東京の一般職業紹介状況(令和3年1月分)

目次

  1. 1.エンジニアの採用市場
  2. 2.エンジニア採用戦略の3つのポイント
    1. 2.1.①人事部と現場の認識を統一する
    2. 2.2.②市場と採用条件を擦り合わせる
    3. 2.3.③マッチ度の高い採用手法を取り入れる
  3. 3.まとめ

エンジニアの採用市場

現在、有効求人倍率の上昇により、エンジニアの採用市場での人材獲得が難しくなっている状況です。特に地方は都市部と比べて有効求人倍率が高く、採用に苦戦している企業も多いと考えられます。

厚生労働省がまとめた『一般職業紹介状況(令和3年4月分)』によると、東京の有効求人倍率が0.86倍であるのに対して、以下の地域では1倍以上と高水準であることが分かります。

▼地方の有効求人倍率

  • 群馬:1.29倍
  • 山梨:1.33倍
  • 長野:1.35倍

また、経済産業省が発表した『IT人材需給に関する調査』では、企業のIT人材の需要が供給を上回る結果となっており、2027年には約40万人のIT人材が不足すると推測されています。

とりわけ、経験者をターゲットにした中途採用においては、競争性が高く採用の難易度も高くなります。優秀なエンジニアを採用するためには、自社の採用基準やターゲットを見直すとともに、効率的にエンジニア経験者と出会える採用手法を取り入れていくことが重要です。

出典:厚生労働省『一般職業紹介状況(令和3年4月分)』/経済産業省『IT人材需給に関する調査

エンジニア採用戦略の3つのポイント

採用が難しい優秀なエンジニアを獲得するために、企業の採用戦略で押さえておくとよい3つのポイントをご紹介します。

①人事部と現場の認識を統一する

採用ターゲットとなる人物像について、人事部と現場で認識を統一しておく必要があります。業務内容やポジションに加えて、現場で働くエンジニアの意見を取り入れながら具体的なペルソナを設定します。

このとき、業種や経歴だけでなく、自社の社風にマッチする人物像についても明確化することがポイントです。理想の人物像をペルソナに設定するのではなく、自社で活躍する人物をベースに考えることが重要です。

ペルソナを社内で統一することで、明確な選考基準を立てられるようになり、採用後のミスマッチを防げるようになります。

②市場と採用条件を擦り合わせる

エンジニアの採用市場と自社の要件水準が乖離(かいり)しないよう、求職者に提示する採用条件を擦り合わせる必要があります。

自社が求める条件ばかりを重視すると、競合他社が提示する条件よりも要件水準が高くなり、条件を満たす人材が見つからないケースがあります。企業の視点だけでなく、エンジニア経験者に相応しい条件を提示することが重要です。

▼採用条件の検討項目

  • エンジニア経験者が求める待遇や条件(労働環境、ソフト・ハードウェアなど周辺機器のスペック、勤務場所、勤務時間帯)を満たせているか
  • 競合他社と比較して訴求できるポイント(待遇、教育制度、キャリアパスなど)があるか
  • 自社の業務内容・扱う商材と同じ企業の採用条件はどうなっているか

自社の採用条件が市場とかけ離れている場合は、エンジニア経験者が魅力的と感じる条件に見直す必要があります。

たとえば、リモートワークが普及しつつあるいま、スペックの高い周辺機器を利用できること、かつ自宅で勤務できることは、エンジニアにとって重要な条件といえます。“採用したい”ではなく、“採用できる人材”の条件を設定するのがポイントです。

③マッチ度の高い採用手法を取り入れる

求人広告による採用手法を導入している企業は、採用手法を見直す必要があります。

エンジニアは有効求人倍率が高いため、自社の条件と合う人材を見つけることは容易ではありません。求人広告への応募を待つだけでは、「そもそも応募がない」「大企業の知名度や待遇に負けてしまう」といった課題があります。

地方採用でエリアを絞り、自社とマッチした人材と出会うためには、人材紹介サービスを利用するのも一つの方法です。候補者のピックアップややり取りを代行してもらえるため、効率的な採用活動が可能となります。

地方採用をご検討なら、群馬・新潟・富山・石川・福井・山梨・長野の7県でサービスを展開しているエンリージョンを活用するのもおすすめです。全国にUIターン転職サービスを展開しているリージョナルキャリアに加盟しているため、地方のエンジニア採用において豊富な人材を紹介できます。また、求職者のキャリアや経歴、仕事に対する意欲、考え方に至るまで丁寧なヒアリングを実施し、マッチ度の高い人材紹介を可能にします。

まとめ

エンジニアが不足しているいま、地方企業で優秀なエンジニアを獲得するためには、人事部と現場が求める人物像を統一するとともに、エンジニアの採用市場と乖離(かいり)しないように採用条件を設定することが重要です。

競合他社との差別化を図るうえでは、自社の訴求ポイントに加え、労働環境や使用する周辺機器のスペック、勤務場所など、エンジニアにとって魅力的な条件を提示することも欠かせません。

エンジニア経験者の人材獲得競争を勝ち抜くためには、従来の求人広告だけでは十分とはいい切れません。自社にマッチする優秀なエンジニアと効率的に接点を持つために、人材紹介サービスの活用もぜひご検討ください。